日本遺産に関する篠山市長の発言に見るマーケット感覚
☆日本遺産はデカンショ節?
「日本遺産に認定されたのはデカンショ節だと思っていた」と
言われたそうです。
「日本遺産」の誤解(市長日記)|市長日記|市政情報|篠山市(丹波篠山)
それを踏まえて篠山市長は以下のように続けています。
歴史・文化豊かなまちを表現するため、まちなみや史跡、お祭りだけでなく、これをデカンショ節で構成するというストーリー性によって、栄えある認定を受けることができたのですが、逆にデカンショ節だけと狭く受け取られているようです。
文化庁の発表も「丹波篠山デカンショ節―民謡にのせて歌い継ぐふるさとの記憶」という文化的な表現でわかりにくいところがあります。
パッと聞いて「デカンショ節」だけと捉えられるようです。
デカンショの民謡とともに、そこに歌われた人々の暮らし、まちなみ、自然や文化、そして心意気などが、今も受け継がれ息づくまちだということなのです。
これから「日本遺産のまち」として、発信します!
篠山市長としては、
「日本遺産になったのはデカンショ節だけじゃない、
篠山の歴史・文化豊かなまちなみ全体なんだ」
ということ自体は、間違いではないと思います。
ただ、
これから日本遺産を売り出していくときに、
果たしてそのスタンスで大丈夫でしょうか?
☆篠山の発信したいメッセージはなんなんだ?
これまでの記事でも書いたように、
日本遺産自体は現時点でも18個存在し、
これからもどんどん増えてきます。
日本国内に他の日本遺産や世界遺産も存在する中、
国内や海外から篠山に来てもらう方策を考える必要があります。
「日本遺産の篠山です」とPRしていれば
来てもらえるというわけではないのです。
篠山のまちなみ全体」
というのは間違いではないが、極めて総花的だと思います。
篠山の事を全く知らない
国内の観光客層や
外国人に対して、
もっと具体的なメッセージを発しないと、
埋没してしまうのではないでしょうか。
この点、
多くの兵庫県関係者が誤解していた(らしい)
「日本遺産=デカンショ節」
というのは、
間違いかもしれませんが、
みんなが誤解していたということは、
それだけ「日本遺産=デカンショ節」というのは
伝わりやすい構図だったと言えるのではないでしょうか。
「何やらデカンショ節という
300番まである民謡があるらしくて、
日本遺産にまでなっている。
夏に足を向ければ、住民が踊っているさまを見る事ができる」
こちらの方がよほどメッセージとしては分かりやすいのではないでしょうか。
これから日本遺産としての篠山をPRしていこうとするのであれば、
「誰にどういうメッセージを伝えるのか」を考えていく必要があります。
その点で、今回の篠山市長の発言は、間違いではありませんが、
もう少し戦略を練った方がよいのではないかと思います。