篠山市が日本遺産に認定ー喜ばしいが、今年中に先行者として手を打つ必要
☆篠山市が日本遺産に認定
ササヤマンの生まれ故郷の篠山市が日本遺産に認定されたとのこと。
文化庁は24日、地域の有形・無形の文化財群をひとまとめにした「ストーリー」を認定し、地域の活性化に役立てる「日本遺産」に、篠山市のデカンショ節を テーマにした文化や伝統のストーリーを認定した。全国の自治体から提案された83件のうち、篠山市を含む18件を認定した。県内では篠山のみ。関西二府四 県では滋賀県、京都府、明日香村・橿原市・高取町(奈良県)の3件で、単独の市町としては篠山市のみ。
日本遺産とは何ぞやという話もあるのですが、
文化庁が打ち出しているきちんとした話ではあるので、
まずは喜びましょう。
その上で、具体的にどんなことがこれからあるのかについて見てみます。
文化庁の平成27年度予算概要によれば、
1.文化財総合活用戦略プランの創設
(中略)
(1)日本遺産魅力発信推進事業 1,506百万円
(中略)
補助対象:地方公共団体(補助率:定額)
補助件数:15件程度
ということですので、
15億円/18件=8000万円程度
が市町村に補助されると考えられます。
報道では、
「日本遺産」に認定された18件には、文化庁がガイドの育成や外国語のパンフレットの作成などにかかる費用を補助することにしていて、観光客の増加や地域の活性化を後押ししていく方針です。
とされていますし、
①情報発信、人材育成事業
・日本遺産コーディネーターの配置
・多言語HP、パンフレットの作成
・ボランティア解説員の育成等
②普及啓発事業
・発表会、展覧会、ワークショップ、シンポジウムの開催
・日本遺産PRイベント(国内外)の開催
・ご当地検定の実施等
と示されています。
☆喜んでばかりもいられない
ただ、喜んでばかりもいられないと思います。
まずは、今回選定された18件を見てましょう。
どのくらいわかりますか?
「ふーん」あるいは「どこ?」という反応であるならば、
篠山市も周りから見れば同じような状況であるということです。
これは、
地域ブランド調査2014における「市町村の魅力度ランキング」において、
認定された18件のうち、
ランキング100位以内には3件しかいないことからも裏付けられます。
もともと日本遺産は
文化庁は当初、世界文化遺産へ登録を目指す「暫定リスト」から「日本遺産」を作成し、海外に売り込むことを検討していた。しかし、海外からの誘客や地域の活性化につなげるため、暫定リストに載っていないものも含めることに方針を転換したと、朝日新聞デジタルは伝えている。
という位置づけであるため、
現時点でそこまで観光地としての実力がなくても、
これからの伸びしろ含みで選定されていると思われます。
すなわち、
選ばれて喜ぶことはかまわないが、
実力があると勘違いするべきではない、ということだと思います。
これから如何に魅力を実際に発信できるかが勝負です。
☆残された時間はあまりない
文化庁は、
今後も年に1度「日本遺産」を認定し、東京でオリンピック・パラリンピックが開かれる2020年までに100件の認定を目指すということです。
としていることから、
来年からほぼ同数の日本遺産が毎年出来ることになると見込まれます。
「日本遺産の篠山市」がインパクトを持つのは今年限りだと言ってよいでしょう。
また、
篠山市が認定されたテーマは
「丹波篠山 デカンショ節 -民謡に乗せて歌い継ぐふるさとの記憶」
です。
デカンショ祭りまではもう数ヶ月しかありません。
もちろん、急いで安直にハコモノ作れとかいう話では全くありませんが、
「とりあえず国から指示をまって、コーディネーターさんとよく相談して、、、」
という頭で半年くらい待っていると、
あっという間に機会を逃してしまいます。
☆ポテンシャルは充分ある
国外に目を向けてみると、
訪日の意向がある外国人に対して、
「来日して何がしたいか?」
を尋ねたところ、
欧米とタイでは「文化と歴史のある街を観光」の意見がもっとも高い値を示し、次いで「日本食を食べる」が続いている。ところが韓国では「温泉」が最上位、中国では「買い物」がトップ。
という結果になっています。(以下グラフ)
同じく、どこに行きたいかという問いに対しては、
欧米は東京への意向が強いですが、
中でもイギリスやフランスは京都、奈良への訪問意向も半数を超えます。
こうした層は、
関西圏の文化的なスポットにも関心があると考えられますので、
どのようにPRしていくかがポイントになると思います。
いずれにせよ大阪から1時間という日帰り圏にあるという
篠山の強みをここで活かさない手はありません。
東京から大阪へのいわゆるゴールデンルートを抜けていく
外国人観光客に対して、
初回来日の寄り道でも、
日本にリピーター来日の際の目的地でも、
いかに篠山に目を向けてもらうかを考えていく必要があります。
この点、
篠山での古民家活用が特区認定された事も
うまく活用できれば大きなエンジンになると思います。
「大阪からちょっと足を伸ばせば、
昔ながらの民家に泊まって、
おもしろい祭りにも参加できる」
そんな経験を外国人にしてもらって
フリーWifiが使える環境下で
その場で友人にシェアしてもらう。
そういう手も考えられるのではないでしょうか。
いずれにせよ、
日本遺産というものは「栄誉」ではなく「機会」だと
ササヤマンは考えます。
打てる手はどんどん打って、
夏に備えてほしいと思います。
ではではまた次回。