よそ者ササヤマンから見た篠山

兵庫県篠山市に生まれたけれど今は住んでいないササヤマンのブログ。篠山について外からの視点でいろいろ書ければと思います。

篠山市の264集落の未来

国立社会保障・人口問題研究所によれば、

篠山市の人口は2040年には3万人を割り、

65歳以上の割合は4割になると
見込まれています。


とはいえ、これは市全体での話なので、
市内に264あるそれぞれの集落では
どのようになるかというのは、
この推計からは見えてきません。


そこで今回は、
それぞれの集落で将来人口がどのようになるのか
推計を行ってみました。

 

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その結果が上記の図です。


集落の人口が30人を切っている部分
65歳以上の割合が5割を超えている部分
赤くしています。



まず、集落人口が30人を切っている集落は、

 2010年:11箇所
 →2040年:41箇所

4倍になっています。


一方で、
65歳以上の割合が5割を超えている集落は、

 2010年:9箇所
 →2040年:8箇所

ほとんど変わっていません

中には2010年には5割を超えていたが、
2040年には5割を超えなくなっている集落もあります。


しかし、
これは決して事態が改善したということではなく

もともと高齢化が進んでいた集落において、
30年間の間に高齢者が死亡することで、
高齢者の割合が減ったからだと考えることができます。


日本全国で高齢化が話題になっていますが、
既に高齢化が相当進んでいる篠山市の集落においては、
高齢化の先の人口減少にシフトしていっているとみることができます。

☆人口が維持される味間は超高齢化集落


次に人口の減少率を見てみます。

減少率ワースト15とベスト15が次の表です。

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福住や日置、大芋の集落がワーストに名を連ねる一方、
味間などの新興住宅地が人口の減少を抑えています。


ここで高齢者の割合について注目してみると、
ベスト15に名を連ねている集落では
軒並み大幅な増加となっています。

他の集落が、
現在高齢者が多く、
その多くが死亡することで人口が減少するのに対して、

味間などでは、
現役・年少世代が多く、
死亡による人口減少は抑えられる一方で、
現役世代の高齢化が進んでいることがわかります。


一口に、篠山市といっても、

人口減少集落に対しては、
集落機能の維持が課題になる一方で、

こうした味間などの集落では、
高齢化にどう対応するのかということを考えていく必要があるのです。


ではではまた次回。

 

 

(注1)推計方法

 

篠山市統計書(2010年度版)

 「2 人口、10町字別人口」より、

 2010年9月末の集落ごとの男性・女性別を入手できます。

 

篠山市統計書(2010(平成22)年度版)|情報政策係|市政情報|篠山市(丹波篠山)

 

②兵庫丹波の森協会のHPに「地区カルテ」として、

 各集落ごとの年少、高齢者の集落における割合がまとめられてるので、

 このデータを元に、

 集落ごとの男性・女性における年少、現役、高齢の人数を求めます。

 

 ※男性・女性における年少、高齢の割合は一定と仮定

 

公益財団法人 兵庫丹波の森協会 | 兵庫丹波地域 地区カルテ

 

③各集落の年齢階層ごとの人口は公表されていないため、

 各年齢階層がその年齢階層を含む区分

 (年少、現役、高齢)に占める割合(※)を、

 ②の集落ごとの年少、現役、高齢の人数に乗じることで

 集落ごとの5歳ごとの人数を求めます。

 

 ※国立社会保障・人口問題研究所の

   2010年の篠山市全体のデータを使用

 

男女5歳階級別データ- 日本の地域別将来推計人口(平成25(2013)年3月推計)|国立社会保障・人口問題研究所

 

コーホート分析によってその後の人口を推計します。

 将来の生残率、純移動率、子ども女性比と0-4歳性比については、

 国立社会保障・人口問題研究所の篠山市のデータを使用。

 

将来の生残率、純移動率、子ども女性比と0-4歳性比- 日本の地域別将来推計人口(平成25(2013)年3月推計)|国立社会保障・人口問題研究所