よそ者ササヤマンから見た篠山

兵庫県篠山市に生まれたけれど今は住んでいないササヤマンのブログ。篠山について外からの視点でいろいろ書ければと思います。

日本遺産に認定された篠山はまずは他の遺産と同盟組んでみればいいと思うの

☆コアな旅行者にどうやってアピールするか

先日、篠山が日本遺産に認定されてうれしいけれど、

早めに先行者としてPRしていかないといけないよね、

という話を書きました。

 

 

sasayaman.hateblo.jp

 

 

前回の記事では、

国外からの誘客について少し触れましたが、

今回は国内からの誘客について考えてみます。

 

関西圏から一時間ということで、

「大阪から日帰りで行ける「田舎」」という強みを活かして

これまでも関西圏からの日帰り観光客が多い篠山ですが、

 

これから日本遺産という機会を活かして

どういう層に対してアピールしていけばよいのでしょうか。

 

 

この点、

世界遺産、あるいは、最近世界遺産登録を勧告されたようなスポットが

一般のライトな旅行者向けなのに対して、

 

日本遺産というのは上記のような定番スポットは既に行ったような

コアな旅行者向けなのかなとササヤマンは考えます。

 

 

日本遺産のリストを見てみると、

 

f:id:sasayaman:20150426064521p:plain

 

あえてこれらのスポットにいくことを選択する人々は

既に軍艦島とか姫路城とかは行ってると思うわけです。

 

そしてそんなコアな旅行ファンの方々にとって、

日本遺産18カ所というのは、

 

格好のコンプリート対象

 

つまり、順番に巡っていこうと思う対象、

 

になり得ると考えます。

 

 

☆他の日本遺産と組めば、ストーリーと入り口の両方が得られる

篠山のデカンショだけでは十分にインパクトがない場合でも、

上記のような

 

「日本遺産18カ所」

 

「日本遺産と巡る旅」

 

というストーリーがあれば、

そのひとつとしての篠山にも魅力がでてきます。

 

また、他の日本遺産を旅している人に

 

「次は篠山」

 

と思ってもらう事ができれば、

最初から篠山に興味を持ってもらうという入口以外に、

他の17カ所という別の入り口を作る事ができます。

 

☆全体で調整するとだいたいポシャる

ということで他の日本遺産と組めばいいんじゃないかと、

ササヤマンは考えますが、

 

その反面、

全部の他の17遺産と組む必要もないし、

組めないだろうなあとも考えます。

 

 

これには2つ理由があります。

 

1つは利害調整です。

2、3の観光スポットであれば相互に融通可能すれば、

「次は○○」というメッセージが伝わりやすいですが、

 

18カ所となると、「次も日本遺産のうちどれか」程度の

メッセージにしかならず、どうしても総論的なPRになってしまいます。

 

実際、旅行者の立場にしてみても、

1年で18カ所回る事はなかなか難しいですから、

「ゆっくり18カ所回りましょう」くらいのメッセージにしかならないわけです。

 

それくらいのメッセージなら、

日本政府が日本遺産のPRでやってくれます。

わざわざ組む必要もない。

 

 

2つめはスピードです。

 

前回記事でも書きましたが、

 

文化庁は、

今後も年に1度「日本遺産」を認定し、東京でオリンピック・パラリンピックが開かれる2020年までに100件の認定を目指すということです。 

文化庁 新設の「日本遺産」に18件認定 NHKニュース

 としていることから、

 

来年からほぼ同数の日本遺産が毎年出来ることになると見込まれます。

 

 

18団体で組むためにのんびり1年間とかかけていると、

また次の年には20近くの団体が新規参入してきます。

 

そことも組むかとか調整しているうちに、その次の年になり、

いつの間にか100団体の組合みたいなものができて終わりになってしまいます。

 

これも先ほどと同じで、

100団体で組んでPRするような話であれば、

日本政府が日本遺産のPRでやってくれます。

わざわざ組む必要もない。

 

 

 

ササヤマンの偏見かもしれませんが、

行政が主体でこういう連携話を進めると、

全体のバランスとかを気にして、

全部の団体に声をかけるといかいう流れになりがちです。

 

それではあまり組む意味がありません。

 

☆地域あるいはシーズンで組めないか

 

ではどこと組むのか。

 

①旅行代理店などと協力して「日本遺産ツアー」などを組むのであれば、

関西圏の日本遺産と組むことが考えられます。

 

これは広域で観光ルートを設定しようという発想です。

 

 

一方で、

②シーズン的に相互に補完できる場所と組む事も考えられます。

 

篠山のデカンショは夏がメイン。(食べ物は秋なんでしょうが)

 

ならば、

春や秋、冬にイベントや食べ物の旬がある地域と組んで、

 

「春は○○、夏は篠山、、、、日本遺産を四季で巡る」

 

といったようなPRの仕方も可能ではないでしょうか。

 

それぞれの宿泊施設に相手方の地域の宿泊施設などの

クーポンやパンフレットを置いてみたり、

四季で各スポットを巡ると完成するスタンプブック的な記念品を

共同で作ってみるなど、

 

単独で日本遺産をPRするよりも打てる手は広がりそうです。

 

 

☆まとめ

 

上記をまとめると、

 

○コア層を攻めるには、篠山単発よりも他と組んでみた方がいいのでは。

○でも全員で組むと意味ないからね。

○季節とか地域とか切り口はいろいろあるよね。

 

 

この手の話で一番だめなのは、

どうしようかなあと言っている間に、

勝手に周りで同盟が成立しちゃう場合。

 

なので、

ササヤマンとしては、

「友達募集!」とかでもいいし、

「○○市さん一緒にやりましょう!」でもいいので、

 

篠山が先に声をあげるのがいいと思ったところです。

兵庫県の市町の人口パターンを分析してみる

岐阜県の地方創生の市町村の類型化フレームは結構使える

地方創生について、
都道府県でも総合戦略を策定する動きが加速していますが、

ササヤマンが「結構いい分析だなあ」と思ったのが、
岐阜県の人口ビジョン分析です。

http://www.pref.gifu.lg.jp/kensei-unei/seisaku-plan/chiho-sosei/index.data/gifujinkou-zantei-honpen.pdf


特に県内移動については、

県内における社会移動を見てみると、
日常移動(通勤)の延長線上にあり、
昼夜人口比率(夜間人口100 人当たりの昼間人口)の
高い都市を中心に、近隣市町村との間に
社会移動の関わりの深いエリアが形成されていることが分かる。


という分析を示しています。


これは、
「通勤先と転出先」や「通勤先と転入元」が
一致する傾向
にあるということです。


ためしに兵庫県下で分析してみる(詳細は下表参照)と、

41市町中
30市町が「通勤先と転出先が一致」し、
27市町が「通勤先と転入元が一致」しています。


つまり、
通勤エリアにおいて、
職住近接などのメリットから通勤先に転出したり、
子育てや住環境からベットタウンへ通勤先から転入したり、
という動きによって

県内移動の多くが説明できると考えられます。


さらに岐阜県は以下のような5類型を示しています。


タイプ1)ダム機能都市型
岐阜県からの転出傾向は、名古屋市の移動圏内にあり、
東京への移動は大きくはない。
中部地方として広域で考えたとき、
名古屋圏は人口の東京一極集中に対して一定の「ダム機能」
果たしており、
大きな定住圏の中での移動と考えられる。
こうした「ダム機能」は、より規模の小さい地域内でも起こっており
岐阜市大垣市高山市、関市、美濃加茂市については、
周辺の市町村からの転入や通勤者が多く、
地域の中心都市として機能している。

 

タイプ2)ダム機能都市通勤圏型
岐阜県の社会動態は、
学業(10代後半から20代前半)、
職業(20代)、
結婚(20代後半から30代前半の女性)などの理由による転出が多く、
住居を理由とした転入が多いことから、
愛知県や上記Aの都市への通勤者が多く、
昼夜間人口比率が低い(昼間は他の市町村にいる)という状況にある。

 

タイプ3)愛知県通勤圏型
岐阜県内で消滅可能性都市として挙げられた都市の社会移動を見ると、
転出先は比較的県内の他の市町村が多い。
他方、人口も多く、転入者も多い東濃圏域南部や西濃圏域南部
(多治見市、土岐市瑞浪市海津市可児市御嵩町)で、
隣接しており交通も便利な愛知県への転出や通勤が多くみられる。

 

タイプ4)ハイブリッド型
上記2、3 の両方の特徴を持つ市町村で、
県内におけるダム機能を持つ市や、
愛知県への通勤が多くみられる岐阜圏域南部
羽島市各務原市瑞穂市岐南町笠松町坂祝町)の市町。

 

タイプ5)自己完結型
中山間地の市町村では、
周辺の他の市町村に十分な雇用がなかったり、
地域内に働く場所があるなどの理由で、
他の地域への転出も通勤も少なく、
自市町村内で就業し、
暮らしている人が多いところがある
中津川市恵那市郡上市下呂市、白川町、東白川村、白川村)。


この類型化自体も有用なのですが、
ササヤマンが感心したのは、
「各類型ごとにこういう施策が有効だ」という
政策のパッケージをしてしている
点です。


http://www.pref.gifu.lg.jp/kensei-unei/seisaku-plan/chiho-sosei/index.data/gifusousei-zantei-honpen1.pdf


たとえば、

ダム機能都市型(タイプ1)に対しては、
・地域医療の砦となる高機能医療機関の整備
を示す一方で、

ダム機能都市通勤圏型(タイプ2)に対しては、
・在宅医療・介護の充実
・ダム機能都市と連携した婚活事業
・親元近住の促進
・子育て世代の移住促進

などのベッドタウンを生かした方向性を示しています。


それぞれの施策の是非はさておき、
自らの都市の特徴を踏まえた施策を考えていくというスタンス
大変好ましいことだと思います。

ダム機能都市通勤圏型(タイプ2)において、
企業誘致を叫ぶよりも、
通勤の利便性などの住みやすさを打ち出す
というのは
理にかなっていると考えます。


兵庫県で分析してみる


せっかくなので
兵庫県、そして篠山市に当てはめてみるとどうなるかということを
試みてみたのが下の図です。(注1)

 

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上記の図では、
経済産業省地域経済分析
において示している
 

・大阪経済圏
・神戸経済圏
・姫路経済圏

・西脇経済圏
・赤穂経済圏
・豊岡経済圏
・洲本経済圏

についても色分けで示しています。

この経済圏の色分けと、
都市のタイプを眺めてみます。


大阪経済圏姫路経済圏については
割とわかりやすい構図です。


大阪と姫路については、
経済圏ごとに、
通勤、転出入がなされている
というのがわかります。


一方で、
神戸経済圏については、
神戸市がダム機能都市(タイプ1)として
一定の存在感
を発揮するものの、

加古川市のようなそれ自体でマーケットとして十分に大きい
ベッドタウンがあるため、
そこをコアとした通勤圏
もできています。


全県的に見てみると、

・ダム機能都市型(タイプ1)
については、
県内よりも県外との人口のやりとりが大きいことが見てとれます。


つまり、
ダム機能都市や大阪とのつながりが強い都市については、
大阪や県外との人口のやりとり
をしている一方で、

それらの都市に経済的な意味でぶら下がっている都市については、
それらの都市との人口のやりとり
が多いことがわかります。


各市町がどのように社会減を減らしていくのかを考えたとき、
自らがどちらのタイプなのか、
どこと人口のやりとりをしているのかを見極めたうえで
施策を打ち出す必要
があると考えます。

 

兵庫県全体の動向を見たところで、
篠山市については改めて次回以降に書きます。

 

ではではまた次回。

 

 

(注1)

国勢調査を元に作成。

市町のタイプ分けについては、

岐阜県人口ビジョンに準拠して、

 

タイプ1:

人口5万人以上、

昼夜間人口比率100%以上

 

タイプ2:

タイプ1への通勤比率10%以上

 

タイプ3:

大阪府への通勤比率10%以上、

タイプ1への通勤比率10%未満

 

タイプ4:

大阪府への通勤比率10%以上、

タイプ1への通勤比率10%以上

 

タイプ5:

昼夜間人口比率90%以上、

他市町通勤比率(最多)10%未満、

大阪府への通勤比率10%未満、

タイプ1以外

 

なお、

他市町通勤比率10%以上で

タイプ2、4に該当しないパターンを

タイプ6とした。

地域経済分析システム(RESAS)への不満−なぜGoogle Chromeだけ?

先日の記事で書いたように、
 

RESASについては、
使ってみたら結構面白かったなあというところでした。
 

  地域経済分析システム(RESAS)を使って篠山市を分析してみた①〜長野県岡谷市と岡山県美作市に勝機あり?


ただ、ひとつ不満があります。

 

なぜGoogle Chromeでしか使えないんだ?
という話です。



断っておきますが、
ササヤマン自身はGoogle Chromeは使うんです。
別に抵抗ないですし。

 

そして、多くの一般ユーザーも、
よほど抵抗なければ
さくっとGoogle Chromeインストールすると思います。
 


ただ、自治体ユーザーとなると話は別です。



見聞している限りですが、
多くの自治体の情報系のシステムは
ガラパゴス化していて、

新しいソフトのインストールに許可がいるのはもちろん、
許可を得たとしても、

IEだけ、FireFoxだけ、しかうまくつかえない、
という場合
もあるようです。

 


個々の職員の私物のPCでやってもらうというのも手なのですが、


自治体向けのRESASは、
一般向けでは見ることができない企業分析情報も
閲覧可能であることから、
セキュリティやコンプライアンスの区別の点から課題が残ってきます。

 

もちろん、技術的な理由があって、
Google Chrome一択になったというのなら、
やむを得ない部分もあるのですが、

 

そうだとしても、、
多くの自治体でまたGoogle Chromeを使えるようにするために
システム改修でお金を使うことにはなれば本末転倒
にならないでしょうか?

 


せっかくデータに基づいた施策を自治体に打たせる機会なのだから、
「ブラウザが対応してなくて」
などという言い訳を自治体にさせない
ためにも、


できれば自治体が使ってそうなメジャーなブラウザには
対応していただきたかった
というのが率直な感想です。

 

(ササヤマンは技術には素人なので、
的外れな不満だったら申し訳ないですが。。。)
 

篠山市が日本遺産に認定ー喜ばしいが、今年中に先行者として手を打つ必要

 

篠山市が日本遺産に認定

 

ササヤマンの生まれ故郷の篠山市が日本遺産に認定されたとのこと。

 

tanba.jp

 

文化庁は24日、地域の有形・無形の文化財群をひとまとめにした「ストーリー」を認定し、地域の活性化に役立てる「日本遺産」に、篠山市デカンショ節を テーマにした文化や伝統のストーリーを認定した。全国の自治体から提案された83件のうち、篠山市を含む18件を認定した。県内では篠山のみ。関西二府四 県では滋賀県京都府、明日香村・橿原市・高取町(奈良県)の3件で、単独の市町としては篠山市のみ。 

 

日本遺産とは何ぞやという話もあるのですが、

文化庁が打ち出しているきちんとした話ではあるので、

まずは喜びましょう。

 

 

その上で、具体的にどんなことがこれからあるのかについて見てみます。

 

文化庁平成27年度予算概要によれば、

 

1.文化財総合活用戦略プランの創設 

(中略)

(1)日本遺産魅力発信推進事業 1,506百万円

(中略)

補助対象:地方公共団体(補助率:定額)

補助件数:15件程度

 

ということですので、

 

15億円/18件=8000万円程度

 

が市町村に補助されると考えられます。

 

報道では、

「日本遺産」に認定された18件には、文化庁ガイドの育成や外国語のパンフレットの作成などにかかる費用を補助することにしていて、観光客の増加や地域の活性化を後押ししていく方針です。 

 とされていますし、

 

文化庁予算要望時の資料(P.14)では、

①情報発信、人材育成事業

・日本遺産コーディネーターの配置

・多言語HP、パンフレットの作成

・ボランティア解説員の育成等

②普及啓発事業

 ・発表会、展覧会、ワークショップ、シンポジウムの開催

 ・日本遺産PRイベント(国内外)の開催

 ・ご当地検定の実施等

 と示されています。

 

 

☆喜んでばかりもいられない

 

ただ、喜んでばかりもいられないと思います。

 

まずは、今回選定された18件を見てましょう。

 

f:id:sasayaman:20150426064521p:plain

 

どのくらいわかりますか?

 

「ふーん」あるいは「どこ?」という反応であるならば、

篠山市も周りから見れば同じような状況であるということです。

 

これは、

地域ブランド調査2014における「市町村の魅力度ランキング」において、

認定された18件のうち、

ランキング100位以内には3件しかいないことからも裏付けられます。

尾道市36位、宇治市38位、輪島市79位

 

 

もともと日本遺産は

文化庁は当初、世界文化遺産へ登録を目指す「暫定リスト」から「日本遺産」を作成し、海外に売り込むことを検討していた。しかし、海外からの誘客や地域の活性化につなげるため、暫定リストに載っていないものも含めることに方針を転換したと、朝日新聞デジタルは伝えている。

「日本遺産」とは? 点から面につなげる観光ブランド戦略が始動 「日本一危ない国宝鑑賞」も

 

 という位置づけであるため、

現時点でそこまで観光地としての実力がなくても、

これからの伸びしろ含みで選定されていると思われます。

 

すなわち、

選ばれて喜ぶことはかまわないが、

実力があると勘違いするべきではない、ということだと思います。

 

これから如何に魅力を実際に発信できるかが勝負です。

 

☆残された時間はあまりない

 

文化庁は、

今後も年に1度「日本遺産」を認定し、東京でオリンピック・パラリンピックが開かれる2020年までに100件の認定を目指すということです。 

文化庁 新設の「日本遺産」に18件認定 NHKニュース

 としていることから、

 

来年からほぼ同数の日本遺産が毎年出来ることになると見込まれます。

 

 

「日本遺産の篠山市」がインパクトを持つのは今年限りだと言ってよいでしょう。

 

また、

篠山市が認定されたテーマは

 

丹波篠山 デカンショ -民謡に乗せて歌い継ぐふるさとの記憶」

 

です。

 

デカンショ祭りまではもう数ヶ月しかありません。

 

 

もちろん、急いで安直にハコモノ作れとかいう話では全くありませんが、

「とりあえず国から指示をまって、コーディネーターさんとよく相談して、、、」

という頭で半年くらい待っていると、

あっという間に機会を逃してしまいます。

 

 

☆ポテンシャルは充分ある

 

国外に目を向けてみると、

 

訪日の意向がある外国人に対して、

「来日して何がしたいか?」

尋ねたところ、

欧米とタイでは「文化と歴史のある街を観光」の意見がもっとも高い値を示し、次いで「日本食を食べる」が続いている。ところが韓国では「温泉」が最上位、中国では「買い物」がトップ。

日本に行きたい? 行って何したい!? 諸外国の人に聞いてみました - ガベージニュース

 

という結果になっています。(以下グラフ)

 

f:id:sasayaman:20150426071158g:plain

 

同じく、どこに行きたいかという問いに対しては、

欧米は東京への意向が強いですが、

中でもイギリスやフランスは京都、奈良への訪問意向も半数を超えます

 

f:id:sasayaman:20150426071604g:plain

 

 

こうした層は、

関西圏の文化的なスポットにも関心があると考えられますので、

どのようにPRしていくかがポイントになると思います。

 

いずれにせよ大阪から1時間という日帰り圏にあるという

篠山の強みをここで活かさない手はありません。

 

東京から大阪へのいわゆるゴールデンルートを抜けていく

外国人観光客に対して、

 

初回来日の寄り道でも、

日本にリピーター来日の際の目的地でも、

いかに篠山に目を向けてもらうかを考えていく必要があります。

 

 

この点、

篠山での古民家活用が特区認定された事も

うまく活用できれば大きなエンジンになると思います。

 

www.kobe-np.co.jp

 

「大阪からちょっと足を伸ばせば、

昔ながらの民家に泊まって、

おもしろい祭りにも参加できる」

 

そんな経験を外国人にしてもらって

フリーWifiが使える環境下で

その場で友人にシェアしてもらう。

 

そういう手も考えられるのではないでしょうか。

 

いずれにせよ、

日本遺産というものは「栄誉」ではなく「機会」だと

ササヤマンは考えます。

 

打てる手はどんどん打って、

夏に備えてほしいと思います。

 

ではではまた次回。

地域経済分析システム(RESAS)を使って篠山市を分析してみた①〜長野県岡谷市と岡山県美作市に勝機あり?

ビッグデータを地方創生に活用するためのシステムが公開

 

地方自治体がビッグデータを使って

地方創生、人口減少対策に取り組むためのシステムとして

地域経済分析システム(RESAS)が公開されました。

 

RESAS -地域経済分析システム-Google Chromeでご覧ください)

 

石破大臣もこんなこと言ってます。

 

business.nikkeibp.co.jp

 

ということなので、

RESASの実力を見せてもらおうと思い、

実際に篠山市について分析してみる事にしました。

 

一般向けには、

人口、観光、自治体に関して利用する事ができるのですが、

 

人口については、

国勢調査社会保障・人口保障問題研究所のデータを使って

これまでもさんざん分析してますので、

 

今回は観光について分析してみます。

 

観光については、

・メッシュ分析

・From-To分析

・滞在人口率

のデータを見ることができます。

 

その中で、今回はFrom-To分析について見てみます。

 

From-To分析とは、

篠山市に(2時間以上)滞在するひとはどこから来ているのか、

ということが分かるデータです。

 

休日についてのデータを示します。

 

f:id:sasayaman:20150424060055p:plain

 

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、

どこから篠山市に来ているのかがグラフィカルに示されています。

 

後で触れますが、

岡山県と長野県から唐突に線が延びている点に気づいてください。

 

次に上位10件を県内、県外ごとに見てみます。

 

県内

1位 兵庫県篠山市 43,500人(67.9%)

2位 兵庫県丹波市 5,600人(8.7%)

3位 兵庫県三田市 3,100人(4.8%)

4位 兵庫県神戸市北区 1,200人(1.8%)

5位 兵庫県猪名川町 1,100人(1.7%)

6位 兵庫県西宮市 1,100人(1.7%)

7位 兵庫県尼崎市 900人(1.4%)

8位 兵庫県川西市 900人(1.4%)

9位 兵庫県宝塚市 800人(1.2%)

10位 兵庫県西脇市 800人(1.2%)

その他 5,000人(7.8%)

 

県外(都道府県単位)

1位 大阪府 5,200人(53.0%)

2位 京都府 4,000人(40.8%)

3位 滋賀県 400人(4.0%)

4位 長野県 100人(1.0%)

5位 岡山県 100人(1.0%)

 

県外(市町村単位)

1位 京都府亀岡市 700人(7.1%)

2位 大阪府豊中市 600人(6.1%)

3位 京都府福知山市 500人(5.1%)

4位 大阪府吹田市 400人(4.0%)

5位 京都府舞鶴市 300人(3.0%)

6位 京都府京都市中京区 300人(3.0%)

7位 大阪府東大阪市 300人(3.0%)

8位 京都府京丹波町 300人(3.0%)

9位 大阪府茨木市 300人(3.0%)

10位 大阪府枚方市 200人(2.0%)

その他 5,900人(60.2%)

 

☆県外では長野県岡谷市岡山県美作市にポテンシャル?

 

まず気になるのが、

長野県と岡山県から100人が来ている点ですね。

 

(ただし、このシステムどうも最小単位が100人なので、

実際には100人割っているかもしれませんが。。。)

 

市町村単位にすると、

10位圏外になるため、リストには出てこないのですが、

 

先ほどのマップで長野県と岡山県から出ている線に

カーソルを当てると

長野県岡谷市

岡山県美作市

であることがわかります。

 

これだけ個別の市町村から100人単位で来るのには何があるのでしょうか。

 

しかも、このFrom-To分析ですが、

(ササヤマンの記憶が確かなら)

1日単位で分析がリセットされるので、

岡谷市美作市からは1日の間に来ている、

 

すなわち、周遊ではなくて、ダイレクトに篠山市を目的に来ていると言えます。

 

気になって、

Googleで「岡谷市 篠山」とかで検索もかけてみましたが、

特段めぼしい情報は得られませんでした。

 

ここから先は、おそらく旅行代理店などに聞き取るなどしないと

進展はないのかもしれませんが、

ひょっとすると観光に関するポテンシャルが秘められているかもしれません。

 

☆県内では猪名川町からの観光多いか

 

同じく県内についても少し分析してみます。

 

県内で1位が篠山市なのは住民だから当然として、

それ以外の9件については、観光なのか日常生活の範囲なのかの

見極めが必要になってきます。

 

(買い物で三田市丹波市に行ったり、

土日が仕事の人が篠山に来たりしてもカウントされます)

 

 

平成22年国勢調査の従業地・通学地集計(2表、3表)には

篠山市に県内から通勤通学している人、

篠山市から県内へ通勤している人

が示されていますので、

 

そのランキングを併せて先ほどのランキングを見てみます。

 

Froom-Toランキング、

市町村名、

篠山市からの通勤ランキング、

篠山市への通勤ランキング

の順で示すと、

 

1位 兵庫県篠山市 

2位 兵庫県丹波市、2位、1位

3位 兵庫県三田市、1位、2位

4位 兵庫県神戸市北区、3位、3位

5位 兵庫県猪名川町、14位、11位

6位 兵庫県西宮市、5位、5位

7位 兵庫県尼崎市、4位、12位

8位 兵庫県川西市、11位、6位

9位 兵庫県宝塚市、6位、4位

10位 兵庫県西脇市、10位、7位

 

こうして見ると、

猪名川町が日常的なつながりに比べて

突出して篠山市へ休日に来ている事がわかります。

 

通勤での移動がInもOutも50人弱なのに対して

1000人以上来ています。

 

もちろん休日の買い出しなどで来ている場面もあるのでしょうが、

それなら三田市の方が距離的には近い。

 

したがって、

観光など日常とは異なるフェーズできているとササヤマンは考えます。

 

 

今日初めて使ったRESASですが、

他の統計資料などと併せてみると結構気付く点は多いです。

 

もちろん、その気付きを気付きのままで終わらせてはいけませんが、

 気付きを与えてくれる点では、

このRESASは使えるかなと思います。

 

みなさんもそれぞれの自治体について使ってみると

面白い発見があるかもしれません。

 

 

ではではまた次回。

篠山市の264集落の未来

国立社会保障・人口問題研究所によれば、

篠山市の人口は2040年には3万人を割り、

65歳以上の割合は4割になると
見込まれています。


とはいえ、これは市全体での話なので、
市内に264あるそれぞれの集落では
どのようになるかというのは、
この推計からは見えてきません。


そこで今回は、
それぞれの集落で将来人口がどのようになるのか
推計を行ってみました。

 

f:id:sasayaman:20150421203209p:plain




その結果が上記の図です。


集落の人口が30人を切っている部分
65歳以上の割合が5割を超えている部分
赤くしています。



まず、集落人口が30人を切っている集落は、

 2010年:11箇所
 →2040年:41箇所

4倍になっています。


一方で、
65歳以上の割合が5割を超えている集落は、

 2010年:9箇所
 →2040年:8箇所

ほとんど変わっていません

中には2010年には5割を超えていたが、
2040年には5割を超えなくなっている集落もあります。


しかし、
これは決して事態が改善したということではなく

もともと高齢化が進んでいた集落において、
30年間の間に高齢者が死亡することで、
高齢者の割合が減ったからだと考えることができます。


日本全国で高齢化が話題になっていますが、
既に高齢化が相当進んでいる篠山市の集落においては、
高齢化の先の人口減少にシフトしていっているとみることができます。

☆人口が維持される味間は超高齢化集落


次に人口の減少率を見てみます。

減少率ワースト15とベスト15が次の表です。

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福住や日置、大芋の集落がワーストに名を連ねる一方、
味間などの新興住宅地が人口の減少を抑えています。


ここで高齢者の割合について注目してみると、
ベスト15に名を連ねている集落では
軒並み大幅な増加となっています。

他の集落が、
現在高齢者が多く、
その多くが死亡することで人口が減少するのに対して、

味間などでは、
現役・年少世代が多く、
死亡による人口減少は抑えられる一方で、
現役世代の高齢化が進んでいることがわかります。


一口に、篠山市といっても、

人口減少集落に対しては、
集落機能の維持が課題になる一方で、

こうした味間などの集落では、
高齢化にどう対応するのかということを考えていく必要があるのです。


ではではまた次回。

 

 

(注1)推計方法

 

篠山市統計書(2010年度版)

 「2 人口、10町字別人口」より、

 2010年9月末の集落ごとの男性・女性別を入手できます。

 

篠山市統計書(2010(平成22)年度版)|情報政策係|市政情報|篠山市(丹波篠山)

 

②兵庫丹波の森協会のHPに「地区カルテ」として、

 各集落ごとの年少、高齢者の集落における割合がまとめられてるので、

 このデータを元に、

 集落ごとの男性・女性における年少、現役、高齢の人数を求めます。

 

 ※男性・女性における年少、高齢の割合は一定と仮定

 

公益財団法人 兵庫丹波の森協会 | 兵庫丹波地域 地区カルテ

 

③各集落の年齢階層ごとの人口は公表されていないため、

 各年齢階層がその年齢階層を含む区分

 (年少、現役、高齢)に占める割合(※)を、

 ②の集落ごとの年少、現役、高齢の人数に乗じることで

 集落ごとの5歳ごとの人数を求めます。

 

 ※国立社会保障・人口問題研究所の

   2010年の篠山市全体のデータを使用

 

男女5歳階級別データ- 日本の地域別将来推計人口(平成25(2013)年3月推計)|国立社会保障・人口問題研究所

 

コーホート分析によってその後の人口を推計します。

 将来の生残率、純移動率、子ども女性比と0-4歳性比については、

 国立社会保障・人口問題研究所の篠山市のデータを使用。

 

将来の生残率、純移動率、子ども女性比と0-4歳性比- 日本の地域別将来推計人口(平成25(2013)年3月推計)|国立社会保障・人口問題研究所

地方創生は単なるバラマキか?否、劇薬入りのバラマキである。

☆地方創生の4つの柱


人口減少を食い止めるために
国が発表した地方創生の総合戦略において
4つの政策の柱が示されています。


http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/pdf/20141227siryou4.pdf

(1)地方にしごとをつくり、安心して働けるようにする

(2)地方への新しいひとの流れをつくる

(3)若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる

(4)時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守るとともに、地域と地域を連携する


この4つの政策のうち、
もっとも地方自治体が今頭をひねっているのはどれでしょうか?

おそらく(1)あるいは(2)だと思います。
(1)は雇用の確保、(2)は移住の促進などが軸になります。

いわゆる「地域活性化」といわれ、
これまでも取り組まれてきたテーマです。


しかし、
ササヤマンは人口が減少していくというときに
それにどう対応するかという観点からは、

(4)が一番大事なのだと考えます。



では、
(4)の「時代に合った地域」とは
いったいなんでしょうか?



個別の(4)の施策をいくつか見てみると、
その姿が少しずつ見えてきます。



  • 「小さな拠点」(多世代交流・多機能型)の形成
  • 公立小・中学校の適正規模化
  • 都市のコンパクト化と周辺等の交通ネットワーク形成
  • 公共施設・公的不動産の利活用についての民間活力の活用
  • 空き家対策の推進
  • インフラの戦略的な維持管理・更新等の推進


なんとなくですが、
人口が減っていくことを前提として、
いかにそれに対応した社会システムにするかという施策群

見えてきませんか?


このなかには、人口を減らさない、
という意味での効果が大きい政策はありません。

しかし、人口が減っても困らない、
という意味での効果が見込まれる政策です。



ここで、木下斉氏の以下の記述を読んでみてください。

少なくとも少子高齢化問題は20年以上前から指摘されてきた問題です。
私が小学生の頃から学校の教科書にのっていた社会問題でした。
予測されていたのです。

これからも人口は一定の予測が可能なものごとです。
それに対応して、自治体経営そのものを見直していくことのほうが
確実かつ必要な政策であると思います。

大手予備校の代々木ゼミナールは、
20年以上前から、来たるべく少子高齢化による生徒数減少を想定し、
ホテルや高齢者住居への転用等を想定して自社ビルを
建てていました。

昨今、地方の代々木ゼミナールを閉校し、
計画通りにリノベーションして使うようになっています。

一方で、全国の地方都市の駅前には、この10年以内に開業したにも関わらず、
ほぼ廃墟になっている公共施設が入った再開発施設が山ほどあります。

この差はどこからくるのか。
経営の持続可能性に対する意識の差であると言わざるをえません。

「地方創生」論議で注目、増田レポート「地方が消滅する」は本当か? 木下斉 (THE PAGE) - Yahoo!ニュース



同じことを地方自治体でもできるのか?



それを問うている点において、
ササヤマンは(4)が地方創生の一番の肝だと考えます。


☆「時代にあった地域」は官僚たちの良心?

地方創生については、
与党の統一地方選対策といわれることが多くあります。


そして、実際にはばらまきの側面も否定できません。


一方で、
この4つめの「時代に合った地域」を
地方自治体にとっては必ずしも楽しいものではありません。


(インセンティブはあるにせよ)
お金がどんどんもらえるという話ではなく、
今よりも撤退、集約化していく話が大半であり、
住民にも理解してもらう必要があります。


政治的にはよほどの覚悟がなければ進めにくい。



しかし、
地方自治体が真摯に取り組めば、
人口減少下でもなんとか生き残っていけるための知恵になっています。


こんな政治的にはあまり楽しくないテーマを、
統一選対策の甘い味がする政策群の後に
4つめの柱として盛り込んでいるのは、


ササヤマンは官僚の良心(があるのかは知りませんが)
だと信じたい。


この4つめの劇薬を飲んだ自治体は、
きっと生き残っていけるでしょう。



これから続々と地方自治体の地方創生の戦略が打ち出されていくと思いますが、
ササヤマンとしては、

この4つめの「時代に合った地域」について
どれだけその自治体が考えているのか

そこに注目したいと思います。


ではではまた次回。