2035年、人口減少で3軒に1軒が空き家になる篠山
☆人口減少だけでなく、世帯の減少も重要
これから人口が減少していく篠山で
どんな現象が起こっていくのか
これまで見てきました。
でも減るのは人口だけではありません。
生活単位である世帯も減少していくのです。
世帯数については都道府県単位で将来の推計がなされていますが、
今回は一定の前提をおいて、篠山市の世帯数も推計してみました。(注1)
その結果をまとめてみたのが次のグラフです。
高齢者の単身世帯の増加などの影響で
世帯数が増える要因もあるのですが、
それ以上に人口減少が世帯数を減少させます。
※兵庫県全体で見ると、
2025年までは増加要因の方が強く出ていますが、
篠山市では最初から減少要因の方が強く出ていますね。
数値で見ると、
【篠山市総世帯数】
2010年:15,291世帯
→2035年:11,996世帯
(△22%)
【兵庫県総世帯数】
2010年:2,252,497世帯
→2035年:2,152,924世帯
(△5%)
という結果になります。
兵庫県全体の人口減少率が△13%
なのに対して、
篠山市の人口減少率が△26%
であることを踏まえても、
篠山市での世帯数減少は半端ない勢いで進行します。
☆空き家が大量発生、さあどうする?
「平成25年住宅・土地統計調査」によると、
2014年の篠山市の住宅は
17,970戸存在します。
2015年の総世帯数(14890)との差は、
17970ー14890
=3080
つまり、単純計算だと、3080戸が空き家になります。
この17970戸が
(一切増減せずに)
そのまま毎年維持されていくと仮定すると、
2035年には、
空き家の数は約6000戸。
全住宅の3分の1が空き家になることになります。(注2)
この将来にどう対応していくのか、
このあたりの議論はまた時間をおいて書きたいのですが、
ここまでの減少になってくると、
今の「地方創生」のなかで議論されている移住促進
というレベルでは対応できない可能性が大です。
都市計画、住宅政策、住宅ビジネスや福祉行政など
幅広い手を打っていく必要があります。
ちなみに、
この篠山市の世帯数の推計をしていくにあたって
ひとつ「おもしろい発見」をしました。
その話もしつつ、世帯数の推計を使って、
次回以降いろいろな議論ができればと思います。
ではではまた次回。
(注1)推計方法
①篠山市の人口と世帯数の関係(世帯主率)を求める。
平成22年国勢調査人口等基本集計の13−2表、
『日本の地域別将来推計人口』(平成25(2013)年3月推計)
②兵庫県の世帯主率との比率(α)を求める。
『日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)』(2014年4月推計)
③αが一定になるように、将来の篠山市の世帯主率を設定。
(注2)
2009年の丹波新聞の報道によると、
空き家の戸数は639軒で、 内訳は▽篠山=211▽城東=99▽多紀=91▽西紀=54▽丹南152▽今田=32―。
とのことです。
住戸数ー総世帯数から導き出した3000軒とは差がだいぶんあるのですが、
以下のような要因が考えられます。
・一つの世帯が複数の家を有しているような場合に、空き家とはカウントしていない
・居住していない人間が用いている場合に、空き家とはカウントしていない
・賃貸目的などで一時的に空いている場合に、空き家とはカウントしていない
・(遊休資源の把握という調査の趣旨から)完全に使用が見込めないようなものはそもそも空き家とカウントしていない